2012年1月23日月曜日

気になる

げんざい、アルパカビネットのビッグセーターをひたすら編み続けながら、次に編むものを徐々に考え始めているのですが、そんなとき、いろんなコレクションの画像とかスナップとかを見ながら、どんなデザインにしたいか、想像したりします。


最近いちばんかわいいと思ったルックがこちら。
久々、トキメきました。

ウクライナのデザイナーで、Anna October。














若干、20歳の女性デザイナーです。
これは、今シーズンの秋冬もの。

なんだろう。この抜け感。
どこの国の人だろう、って思ったら、やっぱりフランスやアメリカじゃなかった。
同じ素材を使って同じ技術で洋服というものを作っていても、やっぱりどこか生まれた国の空気がにじみ出るのが、おもしろい。
とくに、色使い、なんでしょうか。
この配色なんて、もうありえないくらいステキです。
ニットが得意なデザイナーさんみたい。
いろんな編み模様の組み合わせも、センスがよい。

まだ市場にはさほど出回ってないはず。ネット通販では、たまに見かけます。
要注目やね。
サイトはこちら。 ⇒ http://annaoctober.com/






それと、もうひとつ、これは実物を見て血圧が上がるのが実感できたほどトキメいた。
タイ出身の女性デザイナーが作る、Sretsisというブランド。












この人の作る洋服も色使いやプリントが独特で、タイ出身、と聞いて納得できる感じ。
さいきん、タイの人が作る洋服はすごいおもしろいし、かわいいです。気になる。
とくにブルーが、なんか、他の国と違うように思う。
こんな色の服見たことないなぁ、と思ったら、タイの人が作ってた、っていうことが、たまにあります。

この人の服は、参考にするっていうよりも、もろに自分が着たい、ってだけなのですが、ね。
こちらも、まだあまり店頭には出回ってないはず。
めっちゃかわいいので、ぜひ見てほしい。 ⇒ http://www.sretsis.com/#/intro/


こう見てみると、やっぱり私は、色、というものに一番惹かれるようです。
早く次回作、取り掛かりたいものです。

2012年1月22日日曜日

やさしい、の話

私事ですが、つい先日、祖母が亡くなりました。
享年88歳。
「長い間、ご苦労様でした」という、葬儀場の情感たっぷりお決まりアナウンスに、不本意ながらその日いちばん心を揺さぶられた。
88年という長さを、そんなところで実感してしまった、くやしさ。


人の死を考えるとき、よく、吉本ばななのことを思い出します。
吉本ばななほど、生きることと死ぬこととの距離の近さ、あの世とこの世の境目のなさについて書く人はいないのではないか、と思う。
あまりに感覚的で、文章というよりも感想文、みたいな稚拙な印象を持つ人も多いかもしれないけれど、だからこそ、物語は忘れてしまってもその感覚は深い深いところにいつまでも残るようで、感覚的な生き物の私は、吉本ばななの本の、そういうところがあんがい好きです。


そんな吉本ばななの本の中でも、かなりどうでもいい部類に入るこの本。




ただただ、みた夢のことを書いただけのエッセイなんですが。
といっても、へんな人なので、みる夢もやっぱりへんでおもしろい。
ひとつひとつのエッセイに付いている、原マスミのイラストが、すてきです。
高校生の時に、誕生日プレゼントにほしい、ってねだって、友達に買ってもらった。

で、なぜこの本かというと、死んだ人の夢がほんとに多いのですが、その一つに、いとこが死んだときのお葬式を書いたエッセイがあり、そこに、「日本の葬式はやさしい」という一言があって、それを今回思い出したので。

日本のお葬式は、裸よりも恥ずかしい何ていっても骨、を、おはしで拾ってくれる。愛、でしかない。
というような話。

骨あげ、というものなんですが、あれはいつからの風習なのだろうと思って調べたけれど、手順とかは詳しいのに、そもそもどういういきさつで、とかいうところが全然分からない。
なにか、仏教的な意味合いなんだろうか。やっぱり。
でも、そもそも土葬だったろうし。

まぁ、そんなことはいいとして、とにかく、親類みんなで88年分の生きた証を、ていねいに壺におさめていく作業というのは、ほんとうに、やさしい、と思ったのでした。
生きていく人にも、亡くなった人にも。


2012年1月15日日曜日

モチーフの本

ひさしぶりに、アマゾンで洋書の編み物本を買いました。
こちら。



表紙からして、すてき。
いろんな鳥とかチョウとか虫、キノコ、海のいきものなどを、かぎ針編みで編んでみよう、という本です。
中身は英語。


とにかく、デザインと色がさいこうにかわいい。
超おすすめ。









こんな鳥もいる。






虫シリーズでは、チョウとか。






てんとう虫やハチ。





海シリーズでは、サンゴとか。



こういうのって、基本的な編み方の応用で作れてしまうのですが、なかなか具体的なデザインが思い浮かばないものです。
参考になります。
アクセサリーの一部に使ったり、そのままブローチにしたり、いろんな使い方ができそう。
見ているだけでも、じゅうぶん楽しめる本です。

アマゾンのレビューで、イモムシを並太くらいの手持ちの糸で作った人が、巨大生物みたいなえらいシロモノが出来上がってびびった、と書いてて、笑えたけど。
指示通りの号数で編まないと、思い通りのサイズには出来上がらないもよう。(当然)





もうひとつは、こちら。




これは、かぎ針編みのふち編みモチーフばかりを集めた本。

海外の編み物本は、編み方を編み目記号で書かずに言葉で説明しただけのものが多い中、これはめずらしく日本の本みたいに、編み目記号が載っている。
というところに興味を持って購入。




こんなのです。




たしかに、分かりやすい。
英語分からなくても、記号がわかれば即編める。

しかし、あまりに初歩的で、しかもたいしたモチーフが載っているわけでもなく、色合いも垢抜けず、イマイチ。
安かったからよいのですが、これはわざわざ買うものではないねー。






ところで、アルパカビネットの現在の状況。




このまま170段まで編み続ける途中の、現在140段めくらい。

100目以上の幅を170段も編もうと思うと、もう途中でふっと集中力が途切れたら最後、どこの模様編んでるのか分からなくなってしまいます。
ここにきて急に間違える回数が増えてひやひやしてる。そろそろ飽きてきてるなあ。
どこ間違えてるか探すのにも時間かかるし。気を付けねば。

といっても、これと同じのをもうひとつ(前身ごろ)編まないといけないのだ。

2012年1月10日火曜日

局地的近江八幡事情

とつぜんですが、近江八幡に行ってきました。
なぜかというと、また落語です。




米朝の一門会。
上方落語は今まで生で見る機会がなかったので、近江八幡というロケーションもなんだかすてきだし、よいかな、と。
落語会の会場は、ふつうの市民ホールみたいなところだったのですが。


近江八幡といえば、もとは豊臣秀次が築いた城下町、そして近江商人のおひざ元だったところです。
中心部の八幡堀沿いと日牟礼八幡宮の辺りが伝統建造物の保存地域に指定されており、そこにヴォーリズの近代建築が点在している。
商人の建物もヴォーリズ建築も、今となってはどちらもが同じように古びていて、ふしぎな馴染み方をしていて、良くも悪くも、時間がとまっているようなかんじの場所です。
よい意味では、目的なくのんびり散策するには、ちょっと気分がよい。
わるい意味では、それしかすることがないし、見るべきものもさほどない。



ちなみに、こんなところです。


ちょっと、時代劇とかのセットみたい。




お堀は、こんなの。


 まぶしすぎて奇妙な顔になっておりますが、お気になさらず。
風景がきれいに撮れているので、顔はぼかしてそちらをご覧あれ。



そんな、言ってみればわざわざ行く程でもない(しつれい!)近江八幡に、局地的に人がわんさか集まりまくっている場所があるのです。




たねや! http://taneya.jp/shop/shiga_himure.html

上にも書いた、市の保護地域にある日牟礼八幡宮のすぐ近く、ほぼ境内みたいな場所に、たねやが、和菓子のお店と洋菓子のお店を向かい合わせに開いているのです。
これは、古い町屋?な建物で、作りたて和菓子を買える。そして、お食事もできる。
内装も、隅から隅まで、行き届いている空間。



そして、お向かいのこちら。


洋菓子部門の、クラブハリエ。
あの、バームクーヘンですよ!焼き立てを求めて、いつも長蛇の列ができている。

その焼き立てを、もちろん、並ばずに買えちゃううえ、2階のサロンでお茶といっしょに食べられちゃう。




ちょっと、食い散らかした後。われに返って写真撮影。

何であれ並んでまで買ったりしない人なので、ほんとの焼き立ては食べたことなかったけれど(お土産にもらったことはある。1日経過?くらい?)、ちょっとこれ、ほんきでウマい。
だからって並ぶ気はさらさらないけれど、並ぶ人の気持ちが理解できてしまったくらいに。(これはけっこう希少な体験)
なんてことないのに、なんでこんなにおいしいんだ。

町屋でごはん食べて、日牟礼八幡宮でお参りして、バームクーヘンでお茶して、近江八幡には目もくれずに帰ったとしても、それだけでなんだか十分満ち足りた気分になれます。
実際そういう人が多いんだろう。町は人もまばらなのに、ここだけはほんと、ひっきりなしに車も人も出入りがある。

それだけの、徹底した作りこみがなされているのです、たねや。
郊外の由緒も雰囲気もある土地に、広い空間を贅沢に使って、わざわざ足を運んでもらえるような、徹底した空間作りをする。もちろん、商品のレベルも高く。
土地が安い田舎だからできる、っていうような、中途半端なセンスではないところが、すごいなぁ、と。
けっこう優秀なデザインチームを社内に持っているもよう。
広報誌がこれまた良くできている。お金もかかっている。
あまりに感心してしまって、社長が書いた本にまで、思わず手を伸ばしそうになるくらいでした。



で、肝心の落語ですが。
たねやの圧勝、ってかんじ。
近江八幡市以外のとこからわざわざ見に来てた人なんて、3人くらいやね、きっと。

2012年1月7日土曜日

あけまして






あけまして おめでとうございます!
(七草粥を食べる直前、ぎりぎりセーフってことで)
相変わらず年賀状も出さずに済ましてしまうダメな私ですが、どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます!!


大晦日とお正月は、カニの国に行っておりました。
1200年前に温泉を掘り当てたという、ちいさなまち。

雪にまみれた無人の商店街を歩いたり、まちの本やさんを覗いたり、雪景色の露天風呂を堪能したり、ひとしきり紅白に毒づいたり、気が付いたらとっくにお正月になってしまっていたり、ものすごく由緒のある、でも一見まるでどうってことない神社で地元のひとに交じって初詣をしたり。
カニの国はなかなか盛りだくさんで、すてきでした。


ことしも、いろんなニットを披露できれば、うれしいです。
よろしく。