2011年12月26日月曜日

あれこれ


 最近うれしかったこと。




秋のはじめにお修理に出していたリングが、パリのデザイナーさんのところから戻ってきたのですが、長くかかったお詫びの気持ちか、手作りのタグに、真っ赤なフェルトのハート。
こころがこもっている感じで、こういうちょっとしたことって、うれしい。

樹脂の中に閉じ込めた天然のパールとサンゴが呼吸をするせいで、中に気泡ができてしまった、というのがお修理の理由。
ユビワの中で、パールとサンゴが呼吸をしてる、って。なんてステキ。
次はもう、気泡ができても、しょうがないかーと思うことにする。





ところで、アルパカビネットのニットですが、現在こんなかんじです。



ゲージをとっていたときには全く模様が出ないと思ってたけれど、これくらいの広さで編むと、だいぶそれらしく見えてきた。
それでもやっぱり目はひじょうに見にくいので、ずーっと数を頭の中で数えながら編まないと間違えます。
そして、間違えるとやり直すのもたいへん。
ふわふわしてるので、編んでいて楽しいし、きもちよい糸では、ありますが。

まっすぐに編んで行ってますが、出来上がるとナナメですからね、お楽しみに。




あと、この冬のてぬぐいは、あんまりステキな季節の柄がなかったので、このまま買わずに終わるかなぁ、と思っていたところ、
思わぬ隠し玉がっ。



リサ・ラーソンのハリネズミ柄てぬぐい!




はりねずみだらけ。
ちゃんと、「かまわぬ」製なので、生地も染めもしっかりしてる。
冬ってわけでもないけれど、この冬はこれ、です。




さいごに、載せ忘れていたかわいいもの。




椅子でつくったベッドの中で、うそ寝する人んちの子供。







けっこうムっとした顔のきなこ。目がこわい。







豊島の集会所に貼ってあった、写真。
ひるねする犬とおじいちゃん。

ではまた。


2011年12月13日火曜日

探す話




けっこう話題の本。『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を読みました。
非常に分かりやすくいえば、9.11テロで父親を亡くした9歳の男の子が、父親の死んだ意味を探し続ける話。
2005年にアメリカで出版されて超ベストセラーだったのに、なぜか邦訳がそれから10年もたって
、今年出ました。
9.11から10年目、ということなんだろうか。映画化されるからだろうか。(スティーブン・ダンドリー監督で、トム・ハンクスとサンドラ・ブロック主演。ハズしようながない。アカデミー作品賞の、かなり本命候補らしい。)

感想。
思わぬところからヤラれた、という感じ。

表現方法が独特で、それは文体でもあるし、視覚的な見せ方も。
語り手が3人いて、それぞれの語り口調も時間的背景も全然違うし、場面によって文字の字体も大きさも行間も違うし、写真が入っていたり、1ページに1行しかなかったり、と思うとどんどん文字が重なっていって最後はページ全部が真っ黒になったり、というかんじで、けっこう読みにくい。

しかも、男の子が、死んだお父さんの遺品にあった謎の鍵がいったい何の鍵かを探して、ニューヨーク中の「ブラック」という名字の人に会い続けるうちに、いろんな人の絡まった思いが落ち着くところに落ち着いて行く、という筋。

9.11後の話で落ちるところが分かっていて読みにくい、って、かなり、ヤラれてたまるか、って要素が満載で、けっこう距離感ありながら読んでいたはずなんですが。
きっちりヤラれてしまった。
久々、本読んでて泣けました。
しかも、落とし所で、というのでなく、最終的にぜんぶが固まりみたいになって。
そういう意味では、あの独特の表現方法というのはすごく効果的だと思った。
息苦しい感じとか、こんがらかっていく感じとかが、視覚からまず脳に訴える。

深く思ったのは、探しても、みつからない。ということです。
なくなったものはもうどうやっても戻らないし、きっとこれから先もなくなり続ける。なくならないものなんて、ない。
それに気づいて向き合って、はじめて、なくしたということを受けいれることができる。
なくしたものといっしょに生きていくことができる。
そうなるには、探し続ける、っていう廻り道が、やっぱり必要なのかもしれない。

この本が、アメリカであれだけのベストセラーになったのは、それだけ失った理由を探し続けてる人が多かったからかもしれない。
なんにしても、すごく現代のアメリカの小説、っていう空気感で、そして、よくできてます。
集中して読んでしまうほうが、いいかもね。


でもやっぱり私は、人が死んだり事件が起きなくても、生きるとか死ぬとかの意味をきっちり描けるような小説や映画が、すきです。
人が死んで、、死ぬ意味を描くなんて、ある意味安易だ。
なので、次は真逆の路線で、ムーミンを読むぞ。




わくわくするなあ。ムーミン。
こっちのほうが、得るもの多かったりして。

2011年12月11日日曜日

年間ベスト発表

そろそろ、年の瀬ということで、今年のベストを。


まずは、なにをおいても、Beirut!!




これは、すこし前のアルバムで、いちばん好きな曲。
最新作の、RipTide素晴らしいです。
こんな音楽作る人が、ニューヨークの人とは思えない。しかも、まだ20代。

どっちかというと、アメリカ文化のど真ん中より、もっと隅っこの方、それこそバルカンとか、アルゼンチンとかから出てきたような、ポップスもクラシックもビッグバンドジャズも民謡も全部ごちゃまぜに取り込んだような音楽性で、でもそれを、全部消化して、ここまでおもしろくて洗練された音にしてしまえる才能。すごい。
だいすき、です。




そして、立川談春!!




今年さいご、独演会行ってきました。
今回で、談春は3度め。

ちょうど、師匠の談志が亡くなったあとの、独演会。
夏ころに見たときは、ちょうど震災のことについて思うところを話したりしていましたが、今回は、そういった大きな喪失を通じて思ったこと考えたことが、実際に自分の個人的な喪失に直面して、どう変わったか、といったような話もあった。

志の輔のようなスマートな芸風のほうがすんなり入りやすいのかもしれませんが、談春特有の、どこか世の中を冷めてナナメから見ながらも、人間の情、みたいなところに最終的には希望を持っているような、気分によってはクドく感じることもあるかもしれない芸風は、ぎゃくに今はしっくりくるように思った。
人の想像力に寄りそう、かんじ。
今回の独演会、すばらしかった。


来年からは毎月、神戸と大阪の森ノ宮で、12ヶ月連続独演会というのをやる。
もう、クリスマスとかお正月なんて飛び越して、今からわくわくします。
普段は、わざわざ関西に来てまでやらないような、難しくて地味なのばかりやる、って言ってましてが、そういうのを見れるのも贅沢で、楽しみ。






そして、rosa mariaの指輪とブレス。






rosa mariaは、レバノン出身のアクセサリーデザイナー。
伝統的なシルバーの加工方法を用いながら、宝石とさまざまな素材の斬新な組み合わせや、アバンギャルドなデザインで、ほかのアクセサリーとは異質な存在感のモノづくりをしているひと。
ずーっと昔から、毎シーズンほしかったのですがね、どうもしっくりくるものがなく、ぜったいに似合う気に入ったデザインに出会えたら買う!と思っていたのですが、今シーズンついに!!
すーごい、すき。
ほぼ毎日つけています。
女の子はいつでも、こういう、いつも身に着けていられるアクセサリーがあると、それだけでしあわせでいられる生き物だと思う。
アクセサリーでなくても。手ぬぐいでも、キーホルダーでもなんでも。





そして最後、これは最終兵器。




でた!健康食品!久しぶりの健康オタクネタ。

去年の夏以降、もう死ぬ…ってくらいの体調不良で、ビタミン点滴から整体から民間療法からヨガから、思いつく限りのことを試してみたけれど(まぁ、半分面白半分なんですが)良くもならず、今年2月に、友達に紹介してもらって行きはじめた鍼治療でやっとこさ落ち着いたのですが、そこで処方、というか、勧められてのんでいるものです。
ようするに、酵素とかなんですがね。

たぶん、これらを飲んでいるから元気にになった、とかでは、ないと思う。
では何か、というと、よく言われることですが、今の人間の生活では、普通に生活しているだけで、余計なものを体に取り込みすぎる。
悪い水も、空気中の悪いものも、食べ物の添加物も、ストレスも。
そういったものを、サプリとか薬とかの力を借りず、自力で循環させて対外に排出できるような基礎代謝と基礎体力を作ったうえで、ほんとうに必要で足りていない栄養素を取り入れると、人は本来の健康な体になる、というわけ。
プラスではなく、まずマイナスから、ということです。

だいたいが今って、足りないから足す、って思考で、余分なものが多すぎるから悪くなる、という風には思っていなくて、それだけでも目からウロコでした。
余計なものをなくすには、まぁ、はじめは鍼なり何なりの力を借りる必要があるのかもしれませんが、いったんそうい体になると、あとは自分でケアしながら生きていける。
ひじょうに、正しいようにおもう。
たんに、断食道場とか、腸内デトックスとかともまた違うんですよねー。
興味のある方は、いちど、こちらに相談してみては。

洪治療所
http://www.kou-yes.com/

先生がおもろいです。保険ききます。ご安心を。




ほかにもいろいろあったように思いますが、とりあえず大きめな出来事はこんなかんじです。

こうやって振り返ると、とても悠々自適で浮世離れした生活を送っている人みたいで、現実はそうでもなかったりするのですが、でもなんだか楽しそうな人ってかんじで、あんがい悪くない。
来年も、こんな感じで振り返られたらいいな、と思います。


2011年12月10日土曜日

できあがり!!


麻100%のワンピース、ついに、ついに仕上がりましたあ!!


あれだけ焦っていたわりに、あんがい簡単にできたように思っているアナタ。
それは大きな間違い。
朝の9時からごはんもそこそこに、夜の6時までひたすら作業の結果なのです。
首と背中がこりすぎてエビのようだ。


ということで、仕上がりをお見せします。
まずは、前から。



                               




胸もとを、アップで。









そして、こんどは後ろから。




そして、後ろのアップを。



この、襟まわりですが、つなぎ方がややこしくて、けっこう苦労した。
(つなぎながら、編んでいくので)

本体の模様は長編みが多いしっかりした編地なので、ネット編みのようなすかすかした模様編みのものより、若干重みはあるのですが、しっかり編んでるせいか、麻が100%のせいか、着てもほとんど下に伸びず、シルエットが変わらない。
ウールでは、こうはいかないです。

編みやすいのは、麻だけのものよりもアクリルとかが混ざっている糸なのですが、そうなると夏は暑くて着れないし、かといってほかの季節に着るには見た目が夏だし、結局いつ着るのか微妙だ、といつも思うのですが、麻100はまじで涼しい素材なので、ちゃんと夏に着れそうです。
はじめて使いましたが、おすすめ、かも。
慣れるまで、ちょっと編みにくいですがね。



これで、今年もすっきり気持ちよく年を越せます。
あとは、編み始めたアルパカビネットのニットを、2月のさむーい時期にちょうど着られたらいいな、と。
あと、お口直しに帽子でも編めたらいいなあ。

そういえば、以前に紹介したことあるかな、「スウェーデンから届いたニット」という編み物本の、第2弾が出ているのですが。




前回は、帽子と手袋。
今回は、マフラーが中心です。
あいかわらず、めっちゃかわいい。


ふつうなところでは、こんなのとか。





これは、使えそう。
使う糸とか色合わせによっては、けっこう変わったかんじに仕上がって、それこそ売ってても買うかも、な仕上がりになりそう。







そして、ちょっと変わったところでは、こんなのとか。







これはなー。どうかな。


でも、こんなふうにフードをがっつり被らないでうしろに垂らしとけば、それこそつけ襟ならぬ、つけフードになってかわいいと思う。
いっぱい着こまなくても、あったかくできるし。
うん。これかわいいな。作りたくなってきた。

スウェーデンの、伝統的なニットの技法とか模様とかの本なので、そんなに変わってたり難しかったりはしないのに、やっぱり北欧なだけになんだかセンスよくてかわいいので、ちょっとした参考になります。
本棚にあるだけで、うれしくなるような本です。
初心者の人にも、おすすめ。編めないことも、ない。


2011年12月8日木曜日

仕上げ中





現在、さいごの仕上げをしています。
最後といっても、結局、とじたりはいだりっていうのがいちばん時間がかかる作業な気がする。
そして、かさばる。
できれば家でゆっくり時間をかけてしたいところですが、家でやるだけでは時間が足りず、このかさばるものを会社にまで持ってきて、昼休みにひたすら綴じているという…。
上は、その様子。
打ち合わせの机が、編み物作業机と化している。
自由な会社でよかった…。


なぜこんなに追い詰められているかと言うと、作品展が近々あるのです。

12月16日(金)・17日(土)  11:00~17:00
@パスタンカフェ( http://www.passe-temps.jp/ )

去年と同じ場所です。
去年のことは、こちらから ⇒ http://hakusen-moko.blogspot.com/2010/12/blog-post_20.html



詳細は、こちら、教室のHPをご覧くださいな。

ニットアトリエS  http://www.h3.dion.ne.jp/~n-sumi/amimono.htm

お近くの人は、ぜひ。
このカフェ、前にも言ったけど、何もかもがとても丁寧で、好感が持てます。
オープンして2年目くらいになるのかな?
最近は、ランチもけっこう流行っているらしい。よかった。

さて、私は期日までに仕上げることができるのか!?
待て次回っ!

2011年12月7日水曜日

おやつブーム

さいきん、わたしが最もあいしているもの。
こちら。



パリのジェラートやさん、DELIZIEFOLLIE (デリッツエフォリエ)のジェラート!!
http://www.dlz.jp/index.html

 ↑ 
なんだかもう、圧倒的なこだわりがにじみ出ているHPなのですが、言うだけのことはあるおいしさ。
そして、たかがアイスクリームと思いないような、お値段。
でも、いいの。
あの、ヘーゼルナッツの味と香りを楽しめると思えば安いものです。
素材そのものの風味を活かすレシピといういうことで、すごく味や香りはしっかりしてるのに、後味はまったくすっきり。
乳脂肪分とか砂糖の、後味の悪さがないのが、よい。

東京以外は、関西の芦屋と梅田、神戸大丸しかお店がないみたいですが。
神戸にお越しの際はぜひ。大丸の本館3階の、すみっこの方に地味にあります。

わたしは、こと食べ物に関しては、気に入ると飽きるまでひたすら食べ続けるからね、食あたりにでもならない限り、とうぶんブームは続くと思われます。


あ、追加で、もうひとつお気に入りを。
こちらは、もうずいぶん長期にわたり、ブーム継続中。




ハオスダイニングルームの、テイクアウトのカフェラテ。
http://www.def-company.co.jp/haus/2fh/index.html

容器がとてもかわいいので、うれしくなる。
そして、テイクアウトだと、お店より安くて、300円でいただけちゃう。
(お店で飲むと、お茶菓子にクッキー付けてくれるけど)
手をかけてきっちり作ってくれるので、とてもおいしいです。
豆も、ミルクもこだわっていいのを使ってるからだと思う。
スタバで400円以上も出して消化の悪そうな飲み物を飲むより、ぜんぜんおススメです。


いかに、気晴らしのおやつメニューを充実させるかに、情熱を傾ける日々。
(仕事もちゃんとしてるよ)

2011年11月23日水曜日

試作中


夏物の仕上げと並行して、冬物の計画を立てつつあるお話を、以前しましたが、
(こちら ⇒ http://hakusen-moko.blogspot.com/2011/11/blog-post_16.html )


ゲージをとりながらピンクと茶色の配分など試しているところです。




編み模様自体はさほど複雑ではなく、タテ1列を、2種類の模様を交互に繰り返しながら上がっていくもの。
で、その隣りのタテ1列も同じことをするのですが、スタートが1模様分ずれて始まるので、左右隣り合う模様が違って、ちょっと見た感じ複雑に見える。

しかし。
模様があまり立体的でないせいか、または糸がふわふわで模様がはっきり出ないせいか、なんだか上の写真を見ても分かるように、何の模様が編まれつつあるのか、かなり不明…。
これはたとえ本体が出来上がったとしても、やたらモコモコしてるだけ、って感じになりそうな気がしてきた。
それにしてもゲージが取りにくい。目も段もまったくわからん…。
この糸(アルパカビネット)、けっこう立体的な模様か、メリヤスのが向いてるかもね。

2011年11月22日火曜日

冬のおしゃれ


寒くなってきましたね。
ほんきで。
できれば冬眠したいけれど、そういうわけにもいかんので、人間なので。
冬のおしゃれのことなど考えて、乗り切ろうとおもう。




今シーズンの、モスキーノ チープ&シック。


いつも、かわいい。
オトナ可愛いの代表とおもう。miumiuと並んで。
40過ぎて、さらりと似合うような人に、なりたい。
でも高いからね、売り場はいつもふつうのおばちゃんマダムとかが買い物していて、がっかりし、そして悔しくなる。




そして前のシーズンのロシャス。


 冬にこれくらいの色ですごしたい。
なんでみんな、冬になったら黒とかグレイのコート着るんでしょうね。明るい色こそ、着るべきと思うのに。




そして、東京ブランド、シアタープロダクツの、今シーズン。
  


 やっぱり東京ブランドは、スタイリングが非常にリアルで、かわいいし即使えるものが多い。
カジュアルとモードの中間くらいのかんじ。
中でも、今シーズンのここは、よい。
花柄のロングスカートに、ニューバランスみたいなカラフルな色合わせのスニーカーを持ってきたり、ボウタイのワンピースにアニマル柄のコートなんて、 東京ならでは、と思う。
逆に、古着とかにしてしまった方が、もっとかわいいんじゃないか、とも思うけれどね。
新品の意味を考えてしまうようなものが、ちょっと日本には多すぎますよね。

とにかく、こういうこと考えてると、冬もまぁしょうがないか、くらいに和らいできます。一瞬ですが。
まだ11月だ。どうやって乗り切るべきか…。

2011年11月21日月曜日

サラの鍵、のこと。


 


映画をみてきました。
大阪ヨーロッパ映画祭という、日本未公開、もしくは公開前のレアなヨーロッパの映画がいっぱい見られるというイベントが現在大阪で開催されているのですが、そこで、20日に1回限り上映された、『サラの鍵』です。先行上映。
大阪ヨーロッパ映画祭のHPはこちら。 ⇒ http://www.oeff.jp/


ベストセラーだった、同名の小説が原作です。



本の表紙には見覚えがあり、ベストセラーなのも知ってたし、映画化されたのも知っていた。
でも敢えてすすんで読みたいと思わなかったのは、やっぱり、ユダヤ人虐殺が主要なテーマとなると、非常に重いってことが読まなくても分かるからです。
だから映画も、こういう形でなければ、一般公開されたのを観に行くということはしなかったように思う。
結果、付き合いの勢いで、まぁ観てよかった、かなぁ…。



一つ、設定として知らなかったというか、意外だったのは、舞台はフランスで、そのフランスに住むユダヤ人を、ナチスドイツではなく、同じフランス人警察が弾圧した、という歴史的事実です。
同国人どうしでそうせざるをえなかった(そして、見て見ぬふりをせざるをえなかった)罪悪感みたいなのが深くあり、だからこそいろんな人が、被害者も加害者も、戦争のあと、いろんなことを秘密にしながら現実と折り合いをつけて生きていくしかなかった。

そのフタを、ふとしたきっかけで開けてしまった、ジャーナリストの女性が主人公です。
彼女の人生の選択も、それで大きく変わる。


最後、たしかに希望があるような終わり方をします。
でもやっぱり私は、希望は添え物で、主要な言いたいことは、徹底的に損なわれた人生というのは、決して救うことができない、という、ただそれだけのように思ってしまった。
自分でも、他人の力をもってしても。
一人の人生が損なわれることで、関わった周りの人の人生も、少しずつ損なわれていく。
たとえ嘘や秘密でやり過ごそうとしても、原因が取り除かれることは決してない。
もし、それを希望に変えようとするなら、そのために更に新しい傷が広がることも覚悟して、乗り越えなければならない。
もしかすると、乗り越えられずに終わるということも、あるかもしれない。
傷は、一人だけでは絶対にすまない。

虐殺はたしかに大きな悲劇で、でもそれ以上に、それによって損なわれた人生が、果てしなくいろんなことを巻き込んで損ない続けるということこそ、本当の悲劇だ、と思った。
本人がいなくなっても、歴史的な事実を人が忘れつつあっても、それでも今も損なわれ続けている、というのが、いちばん怖い。

半端に人がいっぱい死んでいく映画よりも、よっぽど私はヘコみました。
まぁでも、それだけ良くできた映画だということです。
主演のジャーナリスト役、クリスティン・スコット・トーマスは、とてもよかった。
お金を払って、時間を使って、じっくり観る価値があるかどうかっていう点では、けっこういい線いくと思います。
公開されたら、みなさんもぜひ。
年明けから、順次公開です。

2011年11月20日日曜日

まだ編んでる


編み物の話です。

いまだに、夏物をもくもくと編み続けているのです。
もういい加減飽きてきているのですが、仕上がらないとやめられない…。
出来上がっても着れないものを編むのって、なんだかもう仕事のようです。
早く仕上げればいいだけなんですが、ね。


ほとんどのパーツは揃いつつあるので、あとはアイロンかけたり綴じたりはいだりすると出来上がる感じ。

パーツを見せられても、んーそうか、ってくらいにしか他人は思わないであろう、ということで、最近は写真を載せていなかったのですが、あまりにもご無沙汰なので載せてみることにしました。
んーそうか、と思わないでくれるとありがたい。




こちら、前身ごろの襟元になる部分。




後ろ身ごろの部分より、左右ひとつずつモチーフが多いので、その分襟ぐりが深くなります。





そして、袖。



五部袖くらいの長さ。
開いた状態なので、あとで綴じます。



で、くっつけると、だいたいこんな感じになる予定。



袖を付けるのは、身ごろを綴じたあと、最終段階にします。
まだもう片袖編まないと。
作品展までにはたして間に合うのかっ。けっこう追い詰められている状態…。






ところで、これも久しぶりの、料理の写真です。
作ってはいたのですがね、撮るのはひさしぶり。




鶏とかぶのあんかけ煮。
まえに作っておいしかったから、もう一回作ってみた。
小さいほうのかぶは、うちの畑で採れたもの。

だし汁に、酒・薄口しょうゆ・塩のみ。弱火でことこと30分ほど煮込むだけ。
なのに、とてもコクがあっておいしい。
少なめの煮汁で蓋をして、蒸し煮のようにするのがこつです。
冬はやっぱりあんかけモノよねぇ。あったまる。


2011年11月19日土曜日

かわいい生き物


以前にも書いたことありましたが、リサ・ラーソンの作る動物がなんとも好きです。

はりねずみのレプリカキーホルダーでとりあえずがまんしていたのですが、ついにそのキーホルダーもチェーンが切れてしまった。顔もハゲてきたし。
アマゾンで簡単に購入できるのですが、顔とか色がね、いろいろ違うのですよ。
だから店舗でちゃんと選んで買いたいと思っていたのですが、それがなかなか見つからず、ついに耐えきれずアマゾンで買ってしまった。




それが、あんがい可愛い顔のが届いて一安心。
色もいいかんじ。
やっぱりかわいいなぁ。


そして、はりねずみの可愛さに目覚めてしまった結果、こういうことになりました。
またまた空白の1ケ月の間の出来事です。。。





くいちゃん!(今年8月生まれの女の子。トイレットペーパーの芯と格闘中。)

リアルはりねずみ飼うことになっちゃったよ。
といっても私ではないのですが。
局地的にはりねずみフィーバーを巻き起こした結果、近しい人が衝動買いのように購入。
おっそろしく可愛い生き物です。
犬とか猫みたいななつき方をしないのです。どっちかというと、眺めて楽しむかんじ。
でもルックスのレベルが半端でないので、どんな動きをしても身悶える勢いでかわいい。
手のひらサイズ。
意外に手間いらずの生き物です。
一人暮らしの人には大おススメです。わたしも欲しい…。
禁断症状のように、週に1回は顔を見に通う日々。



そして、かわいい生き物つながりでもうひとつ。
富山と小豆島の間に、実は和歌山に行ってきたのですが、お決まりのパンダを見てきました。
こっちも、身悶えるかわいさでした。







白浜のアドベンチャーワールドには、ぜんぜん知らなかったのですが、8頭もパンダがいるのです。
ここで繁殖をしているので、ようするにファミリーなわけです。
最初のお嫁さんは中国出身ですが、そのコが産んだ日本生まれのパンダが、このあいだ双子を出産し、初の純国産パンダが誕生。
(国産パンダって、なんだか言葉の響き、というか違和感がすごい。黒毛和牛、とか地鶏とかをイメージしてしまう。たべものみたい。)
中国以外では、世界で一番の大家族だそうです。

和歌山県の宣伝の仕方が間違っているのか、同じ関西圏内に住んでいながら、行くまで全く知らなかった。
すごいことなのに。8頭もいないよふつう。
和歌山県はもっとお金かけてパンダの里をアピールすべきだと、切に思いました。
ミッキーなんかよりよっぽど夢と希望のある生き物だと思います。なんたって、こっちは生ものですからね。媚びないし。無敵のキャラクター性を持っています。
みんな、和歌山にパンダを見にいこう!



おまけ。
和歌山の夕日。海に沈みつつあるところ。美しい。





1週間怒涛の更新で、まぁ大体主要な出来事は書いたような気がするので、来週からは普通のペースに戻ります。
他にもいろいろあったようにも思うけれど。

12月に教室の作品展があるので、それに向けていろいろ仕上げ中です。
編み物ネタも増えるとよいのですが。

2011年11月18日金曜日

また、島



1ヶ月の空白期間に、またまた島に行っていました。
前回の豊島と同じく、瀬戸内です。
今度は小豆島。オリーブアイランド!想像以上にすてきな島でした。

オリーブ以外に何があるんだ、ってくらいにしか思ってなかったのですが。
確かにオリーブだらけです。
お土産ものがオリーブ一色なのはまぁ、どうでもいいとして、そして、どれだけがんばってもエーゲ海にはなれないのにエーゲ海色を全面に出したがるのも、まぁ、許すとして、なにが、小豆島すてき、と思わせたかというとですね。


街路樹がとりあえず、普通にオリーブ。
温泉に行くと、石鹸のような必需品の佇まいで、オリーブオイルが置いてある。(オリーブオイルを付けたままお風呂に入らないでください、って、注意書きが貼ってある)
目玉観光スポットのはずのお店が、異様に入り組んだ分かりにくい裏道とかにある。
秋の間、オリーブ収穫祭をずーっとやっている(らしい。ポスターがいたるところに貼ってある)。でもどこで盛り上がっているのか不明。
などなど。
媚びてるようで、ぜんぜん勝手にやってるかんじが、よい。
観光と日常のバランスが、絶妙にユルい気がする。
オリーブも醤油も(醤油も主要な特産品)、あんたらが来なくてもその辺にふつうにあるからテキトウにどうぞー、って感じがするのです。
これはもう私の性格ですが、勝手にどうぞ、と言われると、かなり勝手に楽しめてしまう。
逆に、こういう風に楽しんでごらん、とくると、途端に鼻白む。

上の写真は、エンジェルロードとかって、1日2回潮が引いた時だけ対岸の島に渡る道が現れる、ってやつなんですが、そこをカップルで手をつないで渡ると幸せになれる、なんてシロモノ。
こういうのまるでダメですね。
(気になる人はどうぞ。にぎわってました。)
でも、景色としては、ひじょうに美しかった。
夕暮れ、です。
こういうのは、遠くから眺めるに限る、ね。




オリーブ収穫祭がおそらく催されているらしいところで、収穫祭には参加せず、勝手に収穫してきたオリーブ。




オリーブも、オイル向きと、食べる向きの二手あるようです。品種なんて、ほんとたくさんある。
はじめ知らずに、まぜこぜで採ってしまった。
家で漬けてみようかと思って。
(ちなみに、生の状態で一瞬味わってみたけれど、おっそろしく苦かった)



 こんなかんじに。
オリーブの新漬け、だなんて、初めてでときめく。


あまりに写真を撮らずに帰ってきてしまったのを、ちょっと後悔しています。
せめて、気に入った場所だけでも紹介しようかな、と。


EAT





ここ、いいです。
二日続けてお昼ごはん食べに行ってしまった。
ごはんもデザートもお茶も、とてもちゃんと作られているし、おいしい。
レベル高いです。
空間もすてき。もとは、まちのお医者さんの建物だったらしい。
明るくて、白くて、清潔感にあふれている。
ご夫婦でやっていて、なんかもう、幸せのカタチって感じのお店です。




ヤマロク茶屋





ここは、かなり本気でトキメいた。
老舗の醤油蔵の中を見学できます。体に良さそうな菌だらけ。
何も添加せずに、樽についている菌の力だけで、醤油ができるらしい。
で、その蔵のまえの庭みたいなところでテキトウに(ここポイント)、お茶ができる。
バニラアイスに醤油かけて食べます。
新食感。
とにかく、菌に会うためにもう3回くらいここに来たい!って気分にさせる場所でありました。
雰囲気あります。



あと、寒霞渓の頂上のロープウェイ終点から、ロープウェイは使わずに遊歩道を下っていく途中にある、大師堂という、小豆島霊場88か所の札所のお寺。
洞窟の中にあります。


(これは、ちょっと他のとこから拝借した写真。しつれい)

岩の中に掘ってあるお寺なので、薄暗くて狭くて、神秘的なかんじでした。
いかにも、霊場ってかんじ。

そして、恒例おみくじひいたら、また大吉。



とりあえず、由緒ありそうなところの大吉だけ手元に残しているけど、たまってきた…。

今年はとくに、ほぼ100%大吉な気がする。
また大吉ひくかなーと思って、とりあえずおみくじがあるようなところではひいてしまうのですが。
このアタリ感を、何かほかのものに回すことはできないものか…。
他のくじ運に関しては皆無なんですがね。何なんだろう。

2011年11月17日木曜日

この空白の1月ちょっとの間に、わたしは恋におちました。
かなり、真っ逆さまに。
お相手は、カノジョ。 Lana Del Rey。




まだ、シングル1枚(か、そろそろ2枚目が出る?)しか出してないのに、デビュー直後からミュージック・ブロガーの間で話題沸騰。
あらゆるジャンルのミュージシャンが、カバーしまくり。
英ロンドン公演は30秒で売り切れ。

とりあえず、何がいいって、姿かたちがおそろしく好み。
モデル風でも女優風でもなく、ほどよくモードでおしゃれ。そして、なんともエロい。
声も、もちろんよい。
いそうでいないです、こんなの。かんぺき。
現在、私にとってもっとも視覚に訴える目の離せない生き物は、相変わらず水原希子なのですが、それを超える勢いでキテる。


こちらは、デビューシングル。





そして、それを歌う、動く彼女。いいなぁ。




みなさんも、この映像で恋に落ちてください。
年明けにアルバムでるよ。アマゾンで予約しないとっ!!!
日本にも来ないかなぁ。

2011年11月16日水曜日

新作に向けて

すこし前に、展示会で注文していた冬糸が届いていました。
こちら。



リッチモアの、「アルパカビネット」5番。
こうして並べると2色の色違いを買ったように見えますが、同じ糸です。





ピンクとグレイの混じった色。
糸の名前の通り、アルパカとウール混なので、かなりふわふわと手触りがよい。
そして、軽い。あったかい。
イタリア製。


そしてもうひとつ。
同じくリッチモアの「バカラピュール」124番。



こちらは、同じくアルパカとウールに、モヘアも混じっています。
アルパカビネットとゲージがほぼ同じで、素材も似ていたので、これにした。


で、この2種類で何を編むかというと。
これです。




リッチモアの、「ベストアイズコレクション vol.109 秋号」掲載作品。
リッチモアというのは、毛糸のメーカーなのですが、ここに限らず各社糸メーカーは、季節ごとに新作の糸を発表するにあたり、その糸を使ったデザインがいっぱい載っている本を同時に販売するわけです。
編み図も載せて。
で、これが編みたい!ってオバハン(に限りませんが)が、本に載っている通りに、ごっそり揃えていろいろ買ってくれるとありがたいなぁ、っていう意味合いのものです。

私は編み物始めてかれこれ8年目に突入なのですが、今まで本のデザインで編むということをしたことがなかったので、初体験です。
まぁ、使う糸は違うので、結局ゲージを取ったり、自分の寸法に計算しなおしたりすることは必要なのですが。


でもこのデザイン、上の着用写真を見ると、非常に複雑な製図と思いますが、実はすごく単純なことなのです。




つまり、ものすごく分かりやすく簡略化して話すと、正方形にまっすぐ編んで、1辺に胴体と袖、もう1辺に袖の穴を空け、てっぺんから頭を出す。
胴体の穴が真下になく、横に開くので、着ると写真のように片側にねじれてパフるのです。
で、まっすぐ編んでいる模様も、まるで横向きに編んだようにドレープして見える。

そもそもデザインを考えた人は、接続原型から起こして、着ても無理がないように寸法など工夫した結果、誰でも見たら編めるようにって、本にはこうして正方形の図しか載っていないのですが。
本来は頭をつかった、結果ということ。

編みはじめるとちゃっちゃと編めてしまいそうなので、そしてその割には見栄えもするし、いいかなぁと思い、今回はこれにしました。
アルパカビネットのピンクとグレイをメインに、バカラピュールのこげ茶色を間に入れて、ボーダーにするつもり。
ボーダーも、着るとねじれておもしろいことになりそう。

寸法などの調整は済んだので、只今ゲージを編んでいるところです。
毛足が長くて絡まりやすいので、編み目が見にくくて間違えても気づかないとか、ありそう。
気をつけねば。



そしてもう1作品別に編みたくて、買った糸2種類。







イギリスの老舗メーカー、ローワンのツイード!!
ばつぐんに可愛い。そして配色が、イタリアにも日本にもない、センスの良さ。
ツイード糸のレベルの高さで有名ですが、今回初めて購入。

この、本体のボルドーに差し色で入っているピンクに合わせて、同じくローワンのモヘア混の糸も購入。



ピンク!!
ツイードは若干シャリっとしていますが、これはモヘアが入っているので、ふわふわ。
今年は、どうしてもこの、ボルドーとネオンピンクの組み合わせで何か編んでみたかったのです。
リッチモアの糸は、編むモノ重視で選んだけれど、ローワンのこの糸は、色重視。
形はシンプルで、配色を工夫して編んでみたいなぁ。
手持ちの服に合うにはどんなシルエットかってシュミレーションを、暇さえあればしているところです。
まだまだ手をつけるとこまでいかないからねー。妄想のみ。
でもこれがいちばん楽しい。