2012年2月21日火曜日

大人について



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なるものに、行ってきました。
いわゆるロック系の、音楽イベントです。
神戸・元町界隈の飲食店やファッション系のお店の関係者で、趣味で音楽をやっている人たちの遊びの集まり。

ふだんはあんまりこういうの行かないんですけどね、主催者サイドの、服屋さんやってる友達が誘ってくれたので、たまにはおもしろいかと思って行ってみた。
こういうのってねえ、イベントとか言っても結局みんな友達の友達、みたいにつながっていて、世間が狭くて居心地悪いことが大半なんですが。なんか、知らない人の結婚式の2次会にまちがって紛れ込んだみたいな。


とりあえず、おざなりに撮ってみた写真。ぶれまくり。


なんか人らしきものが写ってるけど、これリーゼントかなあ。
リーゼント率が妙に高い会場だったのです。
ロカビリーなリーゼントのバンドが驚きのかっこよさで、やっぱりそれ目当てで来ているリーゼントも多いようで、いろんなリーゼントがいっぱいいた。(リーゼント何回言った?)
黒革ジャンリーゼント(定番)、ボウリングシャツリーゼント、古着リーゼント、甘いマスクのリーゼント、おやじリーゼント…。
一生分のリーゼント見たね。

まあそれはいいとして、ここにいる人ってみんな、他の時間はちゃんと仕事して、でも好きなことはちゃんと趣味として時間も作っていて、そういうのってべつにやらないでいようと思えば全くの無趣味でも十分生きていけるのに、楽しんでやっているわけです。わざわざ練習とかして。
好きなことを仕事に、とか、仕事を楽しんで、とかって、やっぱりどこか嘘っぽくて、でもだからって、仕事以外の時間を楽しめている人というのも案外少ないように思うから、こういうのいいなぁ、と、素直に思った。
大人になるというのは、すらり、と、高度な遊びをできるようになる、ということかもしれない。



ベタに、プライマルのRocksとかかかってて、ひさしぶりに聴いたなあ。




ボビーはいかにもロッカーってかんじの不健康な風貌で、やっぱりかっこよいのでした。

リーゼントでもないけど、音楽って、聴く側もやる側もルックス込みで重要で、そこもたのしい。
全身黒い革で、缶バッジとかつけてて、まっくろいロングヘアーで、コスプレとかでなく、それがみょうにかわいい女の子がいて、むしょうに革パンとかはきたくなってきた。

2012年2月17日金曜日

映像と音楽


「ドラゴン・タトゥーの女」みました。
見ました?見た方がよいですよ。

ソーシャルネットワークに続き、デヴィッド・フィンチャー監督と組んでトレント・レズナーが音楽をやると知った時から、単に映像と音楽の組み合わせを体感することだけを楽しみに待ち続けて半年ほど経過。
先週末から公開となり、早速見にいったのですが、とりあえず、かっこよかった。
トレント・レズナーすごいなあ。
デヴィッド・フィンチャーとの組み合わせがいいんだろうか。ほかでもこんなにすごいんだろうか。

映画、この映像と音楽から、はじまります。 さいこう。  


http://pitchfork.com/news/44843-video-trent-reznor-and-karen-o-cover-led-zeppelins-immigrant-song/


カレン・0が、よい。他にありえない感じ。
リズベットのイメージで選んだんでしょうね。

ストーリーは、必ずしも私の好みではなかったけれど。
ミステリーってどうしても、何らかの突出した能力を持った人が何だかんだでぜーんぶ問題を解決してしまう、っていうのが多いけれど、どうもそういうのが、ずるいなぁ、と思ってしまうので。
犯人もね、どうも納得いかん。言いませんが。(どうせ、映画見てるだけの人にはぜったいに分からないし。リズベットでないと、分からない。あれはぜったいに。そのへんがずるい。)

とにかく、映像と音楽と、映画の醍醐味は存分に楽しめます。
私はこの映画を見て以来、なんだかすごく、大きなホールのライブを見たくなっている。
そんな気分になる映画、かも。



2012年2月16日木曜日

ものがたり、とは。


ジョン・アーヴィング 「あの川のほとりで」 を読みました。
感想ですが、最終的には、大満足。
あぁ、ひさしぶりに、どっぷり物語の中に入ることができた、しあわせ。


最終的に、というのは、途中けっこううんざりしてしまって、上巻の終わりらへんでいったん中断していたからです。
今回のこの小説は、ジョン・アーヴィングが長年構想し続けてきた自伝的小説、という触れ込みで、確かに、主人公の小説家のまわりで起こるいろいろには、長年の読者ならすぐにアーヴィングを連想するような描写がいっぱい登場する。
最初はどうもそれが鼻に付くように思えて、それでうんざりするのかなぁ、と思っていたのですが、どうもそういうわけでもなさそうで、たぶん、「自分の人生とか仕事を振り返って、何か確固としたものを述べたいのだろうか、今回のこの人は」と思いながら読んでしまったのが、ダメだったみたい。

アーヴィングの小説は、徹底した通俗小説だと思う。いまどき珍しく。
たくさんの登場人物がひしめき合っていて、全ての人々に詳細で様々な物語があって、その細部をしつこいくらい描いていくことで、全部が混然となってひとつの物語ができる。
細部には夢も人生も教訓もあるだろうけど、いちいちそんなこと説明しない。読む側にゆだねられる。
なにかを主張していないと書く意味がない、みたいな小説とは、ぜんぜん違う。
単に物語の世界だけが、読んでいる間は無限に広がって行く。
極端に言うと、「ものがたり」として、徹底的に作りこまれていておもしろければ、それでいい、というものだと思う。アーヴィングの小説は。

だから今回も、主人公がアーヴィングを思わせるようなところがあるのも、社会的な背景、たとえばベトナム戦争や9・11テロが織り込まれるのも、単なるお話のしかけ、なのです。
何かを主張したいんだろうか、なんて考えて読んでしまうと、単なる支離滅裂で読みにくい話としか思えなくなってしまう。
変なひっかかりがなくなった途端、ひたすらおもしろい本、に変身したのでした。


今更ですが、あらすじは、主人公で後に小説家として成功するダニーと、そのコックの父親が、たくさんのものを亡くし続けて逃げ続けるお話。
あらすじで言うと、これだけ。
それが上下で1000ページにもなるんだから、その細部の描写たるや、すさまじく、素晴らしい。

角田光代がどっかの書評で、「読みにくいけれど、最後の5行で全てが納得できる」とか言っていて、そんなのではそもそもないのです。
全部に意味があって、全部に意味がない。たった5行でまとまるような、そんなお話ではない。
その点、江國香織の書評は格段に的を得ていた。
「言葉で満たされる」「読んで、一人ずつに出会える喜び」といったもの。
ほんと、それに尽きます。


時間がたっぷりあって、小説というものを読んでいる時間が好きな人は、どうぞ。おすすめ。

2012年2月14日火曜日

奥が深い


 おひさしぶりです。コンニチハ。
ふらりと、淡路島に行ってきました。
淡路島で採れる食材を使った おいしいイタリア料理やさんがあって、そこにご飯を食べに行ったのですが、天気も良かったし、せっかく橋も渡ったので、ほかにもいろいろ見てみよう、と。

で、伺ったのが、こちら。



樂久登窯(らくとかま) http://rakutogama.com/index.html   です。
幹線道路から、どんどん山の中に入って行ったところにあります。






雰囲気のある、すてきな建物。
築100年くらいの年代物らしいです。中はおしゃれに改装されて、現代風ですが。


                               

 これは、敷地内のお向かいに建つ建物。
切干大根らしきものが軒先に干してある。
この中が工房なんだろうか。表にたくさん陶器が並べてあった。


ご主人は、丹波の立杭焼で修行したのち、地元の淡路島に帰ってきて工房を開いたらしいです。
中はギャラリーと、カフェになっている。










陶器じたいにさほど惹かれるものはなかったけれど、見せ方、というか、 空間の使い方がとても上手で、だから、全体が、「あぁ、いいもの見たなぁ」って気分にさせてくれる。
たぶん、趣味がとてもよい人なのでしょう。

ものを作って売るって、むずかしい。
バランスのよいお店に行くたびに、思います。
付加価値の演出力が最終的にはそのモノの創作力よりも必要かもしれなくて、それがブランドってものなのかもしれないけれど、その両方のバランスを高いレベルで維持しつつ、人とは違うものを見せる、って、ほんとうに誰もができることでない。
そのうえ、買ってもらわないといけないし。
山の中で、ちょっといいもの見たな、って、よい気分になりました。
もうちょっと、買う気にさせる、モノの力がほしかったけれど。






 リンゴジュースも、こんな陶器のカップ。
液体が、なんだか、とろり、と見える。


あ、そうそう。
ちょっといいもの見た、ですが、すげーものを見たよ。
人里に下りてきてワナにかかったでっかい猪が、頭を銃でぶち抜かれて血まみれで運ばれて行く現場に、猟銃会のおっちゃんの解説付きで立ち会うという、なんだかよくわからんシュチュエーションに遭遇。
淡路島は、今年、餌がほしくて人里に下りてくる猪がとても多いらしい。
罠にかかった猪は、しっぽを切り取って持ってくと、5000円くれるらしい。
で、後ほどおっちゃんらが本体を回収しに来る、と。
そういうシステム。

樂久登陶窯のおばさんが教えてくれて、おもしろそうなんで見にいったら、そんな生っちろいもんではなく、トラウマになりかねないくらいの修羅場血みどろ現場に、けっこうびびってしまったのですが、本来生き物を食べるって、こういうものよなぁ、と、生まれて初めて実感を持ったのでした。

奥が深いぞ、淡路島。
(淡路島に行けば見れるってものでもないけど)





あと、もうひとつ。
明石海峡大橋をモチーフにした、ゆるキャラ「せとうち わたる」くん。
全国ゆるキャラ選手権で優勝経験あり。
レベルはともかく数だけは腐るほどある国内ゆるキャラどもを押しのけて、優勝。
けっこうすごいかも。

淡路島はあんがい引き出しがいっぱいです。

ついでみたいですが、ご飯もおいしかったのでした。
リゾレッタ、というお店です。ゆうめい、かも。
レストランでブログ用の写真を撮るなんて無粋なことは趣味に反するので、しないのさ。

2012年1月23日月曜日

気になる

げんざい、アルパカビネットのビッグセーターをひたすら編み続けながら、次に編むものを徐々に考え始めているのですが、そんなとき、いろんなコレクションの画像とかスナップとかを見ながら、どんなデザインにしたいか、想像したりします。


最近いちばんかわいいと思ったルックがこちら。
久々、トキメきました。

ウクライナのデザイナーで、Anna October。














若干、20歳の女性デザイナーです。
これは、今シーズンの秋冬もの。

なんだろう。この抜け感。
どこの国の人だろう、って思ったら、やっぱりフランスやアメリカじゃなかった。
同じ素材を使って同じ技術で洋服というものを作っていても、やっぱりどこか生まれた国の空気がにじみ出るのが、おもしろい。
とくに、色使い、なんでしょうか。
この配色なんて、もうありえないくらいステキです。
ニットが得意なデザイナーさんみたい。
いろんな編み模様の組み合わせも、センスがよい。

まだ市場にはさほど出回ってないはず。ネット通販では、たまに見かけます。
要注目やね。
サイトはこちら。 ⇒ http://annaoctober.com/






それと、もうひとつ、これは実物を見て血圧が上がるのが実感できたほどトキメいた。
タイ出身の女性デザイナーが作る、Sretsisというブランド。












この人の作る洋服も色使いやプリントが独特で、タイ出身、と聞いて納得できる感じ。
さいきん、タイの人が作る洋服はすごいおもしろいし、かわいいです。気になる。
とくにブルーが、なんか、他の国と違うように思う。
こんな色の服見たことないなぁ、と思ったら、タイの人が作ってた、っていうことが、たまにあります。

この人の服は、参考にするっていうよりも、もろに自分が着たい、ってだけなのですが、ね。
こちらも、まだあまり店頭には出回ってないはず。
めっちゃかわいいので、ぜひ見てほしい。 ⇒ http://www.sretsis.com/#/intro/


こう見てみると、やっぱり私は、色、というものに一番惹かれるようです。
早く次回作、取り掛かりたいものです。

2012年1月22日日曜日

やさしい、の話

私事ですが、つい先日、祖母が亡くなりました。
享年88歳。
「長い間、ご苦労様でした」という、葬儀場の情感たっぷりお決まりアナウンスに、不本意ながらその日いちばん心を揺さぶられた。
88年という長さを、そんなところで実感してしまった、くやしさ。


人の死を考えるとき、よく、吉本ばななのことを思い出します。
吉本ばななほど、生きることと死ぬこととの距離の近さ、あの世とこの世の境目のなさについて書く人はいないのではないか、と思う。
あまりに感覚的で、文章というよりも感想文、みたいな稚拙な印象を持つ人も多いかもしれないけれど、だからこそ、物語は忘れてしまってもその感覚は深い深いところにいつまでも残るようで、感覚的な生き物の私は、吉本ばななの本の、そういうところがあんがい好きです。


そんな吉本ばななの本の中でも、かなりどうでもいい部類に入るこの本。




ただただ、みた夢のことを書いただけのエッセイなんですが。
といっても、へんな人なので、みる夢もやっぱりへんでおもしろい。
ひとつひとつのエッセイに付いている、原マスミのイラストが、すてきです。
高校生の時に、誕生日プレゼントにほしい、ってねだって、友達に買ってもらった。

で、なぜこの本かというと、死んだ人の夢がほんとに多いのですが、その一つに、いとこが死んだときのお葬式を書いたエッセイがあり、そこに、「日本の葬式はやさしい」という一言があって、それを今回思い出したので。

日本のお葬式は、裸よりも恥ずかしい何ていっても骨、を、おはしで拾ってくれる。愛、でしかない。
というような話。

骨あげ、というものなんですが、あれはいつからの風習なのだろうと思って調べたけれど、手順とかは詳しいのに、そもそもどういういきさつで、とかいうところが全然分からない。
なにか、仏教的な意味合いなんだろうか。やっぱり。
でも、そもそも土葬だったろうし。

まぁ、そんなことはいいとして、とにかく、親類みんなで88年分の生きた証を、ていねいに壺におさめていく作業というのは、ほんとうに、やさしい、と思ったのでした。
生きていく人にも、亡くなった人にも。


2012年1月15日日曜日

モチーフの本

ひさしぶりに、アマゾンで洋書の編み物本を買いました。
こちら。



表紙からして、すてき。
いろんな鳥とかチョウとか虫、キノコ、海のいきものなどを、かぎ針編みで編んでみよう、という本です。
中身は英語。


とにかく、デザインと色がさいこうにかわいい。
超おすすめ。









こんな鳥もいる。






虫シリーズでは、チョウとか。






てんとう虫やハチ。





海シリーズでは、サンゴとか。



こういうのって、基本的な編み方の応用で作れてしまうのですが、なかなか具体的なデザインが思い浮かばないものです。
参考になります。
アクセサリーの一部に使ったり、そのままブローチにしたり、いろんな使い方ができそう。
見ているだけでも、じゅうぶん楽しめる本です。

アマゾンのレビューで、イモムシを並太くらいの手持ちの糸で作った人が、巨大生物みたいなえらいシロモノが出来上がってびびった、と書いてて、笑えたけど。
指示通りの号数で編まないと、思い通りのサイズには出来上がらないもよう。(当然)





もうひとつは、こちら。




これは、かぎ針編みのふち編みモチーフばかりを集めた本。

海外の編み物本は、編み方を編み目記号で書かずに言葉で説明しただけのものが多い中、これはめずらしく日本の本みたいに、編み目記号が載っている。
というところに興味を持って購入。




こんなのです。




たしかに、分かりやすい。
英語分からなくても、記号がわかれば即編める。

しかし、あまりに初歩的で、しかもたいしたモチーフが載っているわけでもなく、色合いも垢抜けず、イマイチ。
安かったからよいのですが、これはわざわざ買うものではないねー。






ところで、アルパカビネットの現在の状況。




このまま170段まで編み続ける途中の、現在140段めくらい。

100目以上の幅を170段も編もうと思うと、もう途中でふっと集中力が途切れたら最後、どこの模様編んでるのか分からなくなってしまいます。
ここにきて急に間違える回数が増えてひやひやしてる。そろそろ飽きてきてるなあ。
どこ間違えてるか探すのにも時間かかるし。気を付けねば。

といっても、これと同じのをもうひとつ(前身ごろ)編まないといけないのだ。