2011年8月6日土曜日

らくごとハードボイルド


落語の本を読みたいとずっと思っていて、ふと海文堂で見つけたのを買ってみた。
海文堂は、映画関連のコーナーと落語関連のコーナーが隣り合っていて、その向かいが本命の外国文学コーナーなので、順路としてはその流れでいつもなんとなくは覘いてはいたのですが、買うのは初。

枝雀が、愛してやまない60プラス1席について、あらすじと楽屋裏話などまじえて描くとてもたのしい本です。
読み物としても、私みたいな落語入門編が必要な人にとっても、とてもたのしい。
ネタの詳しい内容はそんなに書かれていないのですが、一つのネタでも噺家の解釈が違うとぜんぜんサゲが変わってくることとか、噺家の見せ方の性質によって同じネタでもどう違ってくるか、とか、東京と上方のどんなところが同じで違ってて、ってこととか、こんど実際に落語を見るときに見かたの幅が広がりそうな、興味深い話がいっぱい。
まじで落語CD買うかなあ…。



そしてもひとつ。
これはねー、私が最も苦手とする暑苦しいたぐいの本なのですが、れいによって人が貸してくれたので。


なんと!新宿鮫!
一生読まないと思ってたけど。
貸してくれたというのもあるけど、ちょうどその時期に毎日新聞の書評で、この新宿鮫の最新刊を、あの丸谷才一がおそろしいくらい褒めていたのです。
文体も、作りもうまい、構えが大きいと、絶賛。
鮫島はシリーズものの主人公として、戦後、眠狂四郎と金田一耕助をしのぐほどのスターである、と。(!)
鮫島が恋人の晶と別れたのは、コナン・ドイルがシャーロックホームズを死なせた以来の作家の愚挙である、と。(!!)
丸谷才一がここまで褒めたら、そりゃ一度くらいは読んどかねば、って思うでしょう、ふつう。

結論。
やっぱり肌に合わない…。
おもしろいですよ、まじで。かなりのめり込む。でもねぇ。
どうも、ハードボイルドという分野にいまいち共感できないというか。
ヤクザとか歌舞伎町とか、クスリとか売春とか不法入国とか、鮫島がどんだけカッコよくても、ストーリーに人情があっても、なんか後味悪いんですよねぇ。

ところで、私かってに鮫島は佐藤浩一みたいなオッサンと思い込んでいたのですが、このシリーズ2作目の時点ではまだ30代前半くらいなんですよ。これにいちばん驚いた。
ドラマ化とか映画化では、前者は舘ひろし、後者は真田広之だったようですが、その方が落ち着く。
舘ひろしは若干オッサンすぎるとも思うけど。
それ以来、30前半の俳優で、だれが鮫島にぴったりかを、暇になるたびに考えてしまいます。
なかなかいないんだ、これが。
誰か思いついたら教えてください。

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