2011年9月19日月曜日

未来を生きる





映画「未来を生きる君たちへ」をみました。
デンマークの映画。今年の、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した作品です。

上の男の子2人がキーパーソンで、それぞれの家族が抱える問題と、世界の問題とがリンクしながら話が進んでいく。
テーマは、「許しと復讐」。
憎しみの連鎖は何を生み出すか、どうすればそれを断ち切って許し、受け入れることができるか。

デンマークでは夫婦や親子といった個人的なレベルの感情のズレ、アフリカの難民キャンプでは部族間抗争と、地理的な距離はあって、なんの関連もないようにそれぞれの憎しみは存在するけれど、それを生み出しているのも乗り越えるのも同じ人間という生き物であり、決して別々の憎しみではない。

むかし9.11まえに、ビョークがインタビューで、「大きな平和と小さな平和」というような話をしていて、それは、平和というものは世界レベルのものと個人レベルのものとがあって、自分は普段周りにいる人びととの平和や幸せを大事に真剣に歌うことで、大きな平和にもそれはつながっていく、自分はそういうふうに、小さな平和を生み出すことに、歌を通じて創造的に関わりたい、というような内容だったのですが(アメリカに住むようになって、ビョークはもっと具体的に積極的に、大きな平和について歌うようになってきたけど)、このことを、私はよく思い出します。

この平和と、その平和は、別物だと思ってはいけない。
憎しみも。
目の前のひとつの憎しみに、逃げずに向き合って、受け入れる努力をしてみる。
少なくとも、わたしをとりまく世界は変わる。
それが、大きな世界を変えることも、もしかするとあるかもしれない、と思いたい。
そういう想像力を、持てる人でありたい、と思う。

希望のある映画です。
とてもよくできている。おすすめ。


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