2011年9月20日火曜日

アートな島







みなさん、連休いかがお過ごしでした?

わたしは、島に行っておりました。
瀬戸内海のアートスペース豊島(てしま、と読む)です。
続きで直島、そして倉敷の大原美術館の予定だったのですが、いろいろあって急きょそのへんはカット、豊島のみの1泊になったのですが。

えらい雨で…。
あんな大雨の中を歩き回るのなんて、かつて台風のまっただ中に屋久島で山登りしたとき以来かも。
長靴の中まで濡れるほどの大雨2日間でした。台風きてたからねぇ。


ちなみに、ひとっこ一人いない、大雨の海岸。さみしー。





しかし、ひどい雨でうんざりを上回る、超たのしい島!でした。
なーんもないの。
直島ほど完璧に管理されていなくて、島民のアート作品への関わり方がすごいゆるくて、なんか島興し独特の、妙に自分ところのアートに誇りを持ってる、みたいなのがまるでない、あくまでフツーな感じが、すごくいい。

だからって、作品が中途半端とかではないのです。
これがもう、さいこう。

いままで、どこかやっぱり現代美術って頭でっかちというか、アイデアありき、みたいなイメージがあって、たとえばスペースとして気持ちがいいなぁ、とかはあっても、作品として何か深く共感するという感覚がよく分からなかったのですが、豊島美術館に関しては、思想も、アート作品としても、建築物としても、空間としても、すべてをまるごと同時に、説明いっさい抜きで体感できてしまうという、今までにない感覚を味わうことができました。
かんどうした。
2時間くらいあっという間に過ぎてしまう。


大雨で写真もろくに撮れなかったので、いろいろ探してもっとも分かりやすい映像を。







アーティストは内藤礼。そして、建築家は西沢立衛(あの、SANAAね。てんさい)。
これまた美術館のコンセプトがたいへんよく分かる映像を。






とにかく、いままで体験したことない空間です。
ふかーいところから針のような穴を通して湧き出す地下水の水滴と、空からの雨の水滴がゆっくり混ざり合って、流れて、次第にひとつになっていく。
それがまた、地下に吸い込まれていく。
永遠のくりかえし。
反響する風の音と、低い人声とが混ざって、それこそ胎内のような心地よさです。


美術館は棚田の中にあって、島の真ん中をうねうね走る道路のいろんなポイントから、その白い姿を遠くに望むことができます。そういうのも、よい。


そして、豊島はおっちゃん達がやさしい。いろいろ教えてくれます。




これは、電動自転車乗り場のおっちゃんがくれた、島に生えてるクローバーの押し花。
とっておきの5枚葉っぱ!うれしい。


2日もいればかなり詳しくなったので、これから豊島に行く予定がある方はぜひなんでも聞いてくださいな。
どこのアートは勝手にタダでみれちゃう、とか、知ってます。

そして、これから冬の初めにかけては、カニがうまいらしいよ。
魚の幸もたらふくいただきました。だいまんぞく。





もうひとつ、かなりの神秘的アートがこちら。




森万里子の作品『トムナフーリ』
これね、宇宙とつながってるんですよ。すげえ。




「神岡宇宙素粒子研究施設(スーパーカミオカンデ)とコンピューターで接続しており、超新星爆発(星の死)時に発せられる ニュートリノのデータを受信し、インタラクティブに発光する。」

というものなのですが、宇宙で星が死ぬたびに、それを受信して、白いのが光るのです。
私が見に行ったときはうすぼんやりしてるだけでしたが。

この展示はロケーションがすごくって、山の中の細い急な坂道を登りきった竹やぶの中に、突然現れる池の中に立っている。
私は大雨の中、夕方薄暗くなってから無人の時に訪れたので、けっこうなコワさでした。
池の中に引きずり込まれそうな。何かがすぐ後ろに立っていそうな。
神秘度合いは満点でしたが。

他にも、展示物は島に点在して多数あります。
関西からなら、日帰りで十分たのしめます。大オススメ。


0 件のコメント:

コメントを投稿