2011年5月23日月曜日

目からウロコ


『カンディンスキーと青騎士展』@兵庫県立美術館
行ってきましたあ。

もともとカンディンスキーといえば抽象画というイメージがあるくらいで作品をきちんと見たこともないし、抽象画がとりあえず苦手なのでまったくの範疇外だったのですが、意外なほどおもしろかった。
おもしろい、というのかな。興味深かったです。
美術館って、こういうことがあるから、いいです。ほんものの力でしょうか。


「青騎士」とは、カンディンスキーが中心になって立ち上げた、従来のものとは違う革新的な芸術を目指す団体で、そこでの活動において、抽象絵画という分野は確立されたらしい。
展覧会は、仲間の作品も合わせて、そこに至るまでを3章に分け、その画法の変遷をたどります。


順を追って見ていくうち、抽象絵画への必然性のようなものがすんなり納得できてしまう。
とくに、ムルナウという美しい村を拠点にするようになって以降、同じ風景画でもどんどん抽象化されていく過程が、すごく腑に落ちるというか。
もともと色彩に敏感なひとがとても色彩豊かな美しい環境で絵を描くと、なんかもう見るものの形より、その色彩を生き生きと映したい!その方がよりモノの本質に近づくはず!と思えてきたのかなぁと、私は思えた。

その辺の流れに沿って最終的な抽象画そのものを見ると、訳わからんとしか思えなかったものが、今まであった絵の表現の、さらに先を求めて発見された革新的な方法なんだなぁ、という風に納得できる。
まぁ、好きかどうかはまた別の話なんですが、ね。

とにかく、色彩という観点から抽象絵画を見ると、とてもおもしろく見ることができました。
風景画でも、雪の風景の空の色を、淡いピンクをベースにグレイかかった水色で塗っていたりして、ふつう空の色がピンクなんてありえないけれど、何の説明がなくてもそれは雪の日の風景にしか見えない。すごい。
本質を色で抽出する、ということ。

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