2010年6月14日月曜日

オリジナルな存在感

これは、神戸元町の、海文堂のブックカバー。文庫本の紺色バージョンもあり。

いろんな本やさんのブックカバーの中でも、珠玉のセンスの良さと思う。

なので、このブックカバーほしさに、海文堂で本を買うことが、多いです。

そして、今読んでいる本が、こちら。

ロベルト・ボラーニョの「通話」。 (この表紙デザインは、?ですが)

「ウディ・アレンとタランティーノとボルヘスとロートレアモンを合わせたような奇才」と、作者が亡くなった時に評されたらしい。

この短編集は、たしかに、ユーモアと皮肉とスピード感、非現実的な空気の中の、ものすごいリアルな閉塞感、孤独感。そんなものが感じられる、気がします。でも、しんどさがない。カラッとしてる。

今まで読んだ南米の作家とは、まるで違う作風です。でも、南米の人が書いた以外にありえない、ような感じもする。(南米にしかありえないけど、南米どころかどこにも似たものがない、って意味では、最近の音楽もそんな気がする。アルゼンチンとか。おもしろいです)

そういえば、新刊が、先週末の毎日新聞の書評で紹介されていました。「野生の探偵たち」。

なんだかベタ褒めで、こちらは「はらわたリアリズム」な長編らしい。分かるような、全然分からんような??海文堂にも置いてあったなぁ。買わねばっ。

気になる一文。「芋虫」より。

------  ようやく彼は、静かな女、と言った。それからこう付け加えた。でも死んだ人間だけだな、静かなのは。それから少しして、よく考えると、死人だって静かとは言えないな、とつぶやいた。                                

                                        

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