2010年11月23日火曜日

京都のいちにち



『ブリューゲル版画の世界展』@美術館「えき」KYOTO
最終日23日に行ってきましたあ。

ただいま京都は紅葉シーズン真っただ中、しかも場所は、すべてのアクセス中心部にある、京都駅ビルの中。
おっそろしく人が多かった…。
紅葉見に来てるんだろうから、美術展なんて空いている(という願望)と思いきや、こちらも恐ろしく混んでました。

ブリューゲルの版画は、ご存知の通り、細部まで緻密に描いているうえ、そのすべての事象にそれぞれ別々の皮肉や意味が込められているため、みんなやたらと時間をかけてじっくり見る。
なので、ぴくりとも人が流れない。
なんとも異様な光景で、もうそれだけでけっこううんざりだったのですが、せっかく見たくて京都まで来たのだもの!がんばってしっかり見ましたよ。

作品は、特に風刺画が有名で、描かれるキャラクターが異形のため、なんだかマンガを見ているような感じがするのですが、よく考えると、どれだけありえない光景が描かれていたとしても、それは16世紀に生きていた一人の才能ある人が見つめていた、ある意味日常なわけです。
そう思いながら見ると、私なんかは、描かれているモノよりも、描いている人の頭の中の方により興味がわいたのでした。
あれだけの緻密な物語を、ひとつの絵に込めるエネルギーとは。どんな暮らしをしながら、あんなことを考えていたのだろう。

村上春樹はインタビューで、「細部を不必要なくらい描写するのはどうしてか」というような質問に、ブリューゲルを挙げて説明していました。
細部を細かく描写することで、結果的に全体を描いていることになる、というような。
たしかに、ブリューゲルの絵は、ひとつの物語のようだった。

でも一番気に入ったのは、普通の、帆船の絵のシリーズ。
皮肉も嘲笑も、なんの深読みも必要ない、ただただ美しいものでした。
ほんとにキレイだった。




ところで、みなさん岡崎の喫茶店「ラ ヴァチュール」の絶品タルトタタンが、駅ビルで食することができるのを知ってるかい?
細見美術館や平安神宮などめぐりがてら足を延ばすのもいいんですけどね、お店のロケーションもステキですし。
でも手軽に駅ビルで食べられるなんていいよー。
今回、そういえば、と思い出して行ってみたのですが、やっぱりおいしかったあ。
京都伊勢丹の別館になるんですかね?
スバコ(SUVACO)3階の、フィゲラスというスペイン料理やさんが、デザートとして出してます。
でも食べ物って、同じものでも、環境やお皿の模様、一緒に飲むお茶の味でもかなり印象が変わるものなので、時間があるのなら、やっぱり岡崎のお店に行く方がおいしさ3倍くらいになります。
じつはアップルパイもタルトタタンも、本来それほど好きではないのだよ。
そんな私がわざわざ食べに赴いて、食べるたびに100%おいしくて感動してしまうって。
まだ食べたことない人はぜひ!!

結局、紅葉のひとかけらも目にすることなく、駅から一歩も出ることなく、でもなんだか京都を楽しんだ一日でありました。

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