2010年12月21日火曜日

年末ベストガイド


フィガロの、「本と映画ベストガイド」。
毎年この季節に出ますが、今年は映画もやっちゃう、ってことで、かなりの充実ぶり。
ファッション誌なんですが、ファッションに限らずいろんな分野の人が、それぞれのテーマでおススメする本(今回は映画も)を選ぶもの。

それこそファッションでも、写真集だったり、評伝だったりするし、動物ものから女の一生、ハウツー系、科学ものに健康ものなど、けっこう、へぇ、って本が紹介されています。
あんまり、こういうのは読まない方なんですが、このフィガロの特集に関しては、おもしろいしセンスいいし、流行り関係ないし、よい。
新聞の書評も、年末に今年の3冊、みたいなのやりますが、あくまでも新刊ですしね。

去年の特集のときに紹介されていて、そうでなければ読んでなかったなぁ、と思う本、といえば、山口瞳の「血族」。


桜庭一樹が、女系の歴史物語みたいなくくりで紹介していたのですが、ほかに勧めていたのが、イザベル・アジェンデの「精霊たちの家」とか。
これは、マルケスの「百年の孤独」の女系版ってかんじで、わたしは大好きなのです。
で、それなら読まねば、と。
母の、隠れた過去を明らかにしていく過程がけっこうスリリングなのですが、あくまで私小説。そりゃ南米の、あの現実か夢か?って奇想天外なストーリーとは、また落ちるところが違うわけで、最後、若干の拍子抜けではありましたが、おもしろかった。
あの、なんとも暗いかんじが忘れられないわ。

そして今年最後、女系つながりでこの1冊。


噂の、阿倍和重「ピストルズ」。
今年の谷崎賞受賞作です。
これも、菖蒲家という一族に語り継がれる女系の物語。らしい。(これから読むので。)
賛否ハッキリ分かれる作品のようですが、谷崎賞は歴代けっこう趣味に合うので、期待してみようと思い。
冬休み用に寝かしときます。たのしみ。
谷崎賞といえば、たとえば、町田康 『告白』、小川洋子 『ミーナの行進』 、堀江敏幸 『雪沼とその周辺』 、村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 、どれもすき。

ちなみに、ピストルズとは、「めしべ(たち?)」という意味らしい。なるほど。

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