2011年2月15日火曜日

救えない人々、の話



週末、「冷たい熱帯魚」みてきました。
園子温監督、最新作。吹越満主演。

えげつなかった…。 
かなり最初の方で文字通り胸悪くなって、最後までもつかなぁ、と思いながら結局最後まで見たのですが。
次の日まるごと、なんかの拍子にシーンが頭に浮かぶくらい、強烈でした。
2日ほど経つと、かえってあそこまでのグロさは爽快で可笑しみすら覚えるのですがね、ばかばかしい、というか。


「愛や希望といった甘っちょろい言葉では救えない人もいる」
って考え方で作ったらしい。
たしかに。
そう思うと、最後に吹越満演じる社本が、「人生ってのは痛いもんなんだよ!」って娘に向かって叫ぶシーンがあるのですが、どうもそれがまるっきりの空っぽで空回りに感じたのも納得できる。
人生、なんて言ってんじゃねえよ、ばあか。
最後に言えるのそれだけか、テメエの人生は。
てな感じ。(言葉が汚くてごめんなさいよ。でも全編そんな感じなのだよ)

こういうのを、極北というのかしら。
私の好みとしては、愛だ恋だ、死だ、とか一切言わなくても、その辺全部表現できるような映画もあるし、その方がより沁みる、と思うのですが、こういう、愛とか希望とか死とか、全部をバカみたい、って笑い飛ばすことで、逆に究極に描けるものが存在する、というのも分かる。
という意味では、この映画をみて、「救いがない」とも思わなかったのでした。私は。

映像的には、たしかにキモチ悪くなりましたが、不快っていうのともまた違うような。
さいきんはやりの純愛モノとか命の大切さ系のほうが、よっぽどある意味不快に感じることもあるし。
こうあるべきでしょ?みたいな、作る側の透けて見える意図、のようなものが、不快、という感情を抱かせるのかも。



それにしても、吹越満はかなりのハマり役でした。
他にできる人いないなぁ。
うまいなぁ。


東京では1月の最終週から公開だったみたいですが、ミニシアター系の全ての回で立ち見が出たそう。
すごい。
生理的に無理って人もいると思うけど、見ごたえありなのでお勧めします。



で、直後あまりにも胸悪くて、プリンとか生クリームとかのゆるい物体を目にしたくなかったので(風呂場のシーンを思い出しそうで)、かねてから行きたかった日本茶カフェに行きました。

  

神戸の、元町のはしっこにある、カフェです。
食べログのリンク貼ってるので、見てみてね。 


お茶の種類はもちろん、和菓子もけっこういっぱい選べる。
いろんなところの和菓子を取り寄せてるみたいです。


私は、季節の上生菓子を。椿。
色は、あまりお上品ではないけれど、味はちょっとおいしかった。

そっけないくらいの内装ですが、自然光がいっぱいで、なんだか落ち着く空間です。
ゆっくりできる。

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