今読んでる本。
「回転ドアは、順番に」
「言葉」だけで恋愛ができるか。
歌人の穂村弘と東直子による、短歌と詩の、連歌のような、やり取り。
(メールでの往復書簡を元にして、本を作ったらしい。)
片方の言葉のひとつや、情景のイメージをつなげて、短歌と詩が交互にやり取りされる。
やり取りのうちに、すこしずつ、どんどん恋愛の度合いは増していく。そして、薄れていく。
春に出会って、春に別れるまで。
たとえば、こんなうた。
目の奥に夜をおさめてやさしかった真昼のことを胸にとかした
巻末の解説の人が、穂村さんのことを、短歌もいいけど、詩もうまい。こんな詩を送られたら女の子はひとたまりもないはずだ。きっとモテるんだろうなぁ、ってなことを書いていて、ふと、「イル・ポスティーノ」という映画を思いだした。
つまんない失業中の男が、亡命中の詩人と出会って、ことばの紡ぎ方を教えてもらい、好きなひとに気持ちを伝えるすべを知り、さらに、生き方も変えたお話。(最後は、かなしいような、むなしいような)
言葉というのは、相手に与えるイメージを変えるだけでなく、その人自身をも変えてしまうような、力があるのかもしれない。
使い方次第で。興味深いなあ。
ちなみに、いろんな情報によると、穂村さんはほんとにモテるらしいよ。
言葉といえば、これも絶品です。
言葉にたいする感覚の鋭さ、というか。
なんてことない日常転がってる言葉も、こんな新鮮におもしろいものだった、なんて。感動もの。
あまりサブカル系の本は大事に思わないんですが、これは家宝級。大ヒットです。
大オススメ。
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